ゴルフ7.5 R ヴァリアントのエンブレムカスタム

今日はゴルフ7.5 R ヴァリアントのエンブレム一式の加工事例をご紹介いたします。
ゴルフGTIとRは他のグレードのゴルフと比べて外装のエンブレムの数が少ないのが特徴です。
他のグレードでは「GOLF」のエンブレムを初め、エンジンの種類や環境性能、駆動方式等をアピールするエンブレムがリアハッチ周りに装着されていますが、GTIとRには車名や仕様関連のエンブレム類は一切無く、シンプルにGTIまたはRエンブレムのみが与えられています。
個人的な考えでは、それ以上の説明は不要という、GTI・Rに対するフォルクスワーゲン社の強い自負心の表れと思っていますが、そう言う格別なエンブレムであるからこそ、個性を際立てるカスタムの効果がより大きくなるのではないでしょうか。
今までのエンブレム加工事例の中で、ゴルフRの場合はRのイメージカラー、青を組み合わせる事例が圧倒的に多いですが、今回の事例では量産まで届かず、コンセプトカー止まりになってしまった幻の車、Golf R400に採用されていた黄色をご用命いただきました。
加工するエンブレムはフロント・リアのRエンブレムと左右のフロントフェンダーに装着されるRエンブレムの計4点です。
先ずは構成部品の分解等からスタートしますが、ノーマル状態のRエンブレムは、Rロゴの背景(フラッグ)部分が黒く塗り分けられていますので、純正の黒の塗膜も剥がします。
また、フロントフェンダーのエンブレムはベースプレートの上にGTI、Rロゴが溶着されていますので、ロゴをバラした状態で作業します。そのままでも塗装はできますが、パーツ同士がくっ付いている状態で塗装した場合、後から繋ぎ目の塗膜がひび割れする可能性が高く、塗装剥げの原因となりますので、取り外しできる部分は全て分解するのが基本です。もちろん、今回のように色を分ける場合は、分解して塗った方がより綺麗に塗り分けできるのは言うまでもありません。
上の写真は途中経過なので、塗料や汚れが残ったままで写っていますが、純正の塗料や表面の汚れを綺麗に除去した後、エンブレム表面にペーパーを掛けて、足付けをします。
続いて、脱脂とタッククロス掛け、エアブローで表面の埃を除去し、真っさらな表面にクロームメッキに適したプライマー処理を施した後、1色めのシルバーを塗ります。
このまま2色目へ移りたいところですが、メタリックの塗膜はそのままマスキング等の追加工程を進めると、露出しているメタリック粒子が剥がれ、触れた部分だけ質感が変わってしまうので、クリヤーを薄く塗って保護膜を造ってから一回強制乾燥させます。
翌日、シルバーになる部分をマスキングして2色目の黄色を塗った後、マスキングを剥がして塗り分けの境目のラインを整えてから、トップクリヤーを塗ります。
こう書いてしまうと簡単な工程ですが、塗り分けのマスキングとマスキング剥がしはとても奥が深く、マスキング自体もそうですが、上塗り塗料の塗り方やマスキングを剥がすタイミング、剥がし方を間違えると一からやり直しになってしまうことが多いので、最も難しく、集中力を要する工程です。
クリヤーまで塗り終わったエンブレムを一晩寝かせてから、乾燥炉でじっくり焼き上げます。
後は鏡面磨きをして、最初に分解した付属品を組み付けると完成です。
エンブレムと合わせて、リモコンキーのボトムキャップのRロゴも同じ黄色へ塗り替えさせていただきました。
最後にお客様のゴルフ7.5 R ヴァリアントに装着して無事納品完了です。
白と黒基調のボディに爽やかな蛍光黄色がアイキャッチとして良いアクセントとなっています。
お客様もイメージ通りの発色でカッコいいと大変喜んでおられました。
ちなみに当店のデモカー、Golf7.5 Rのエンブレムはシルバーとスピードイエロー(ポルシェ911のボディ色)の2色で塗装してありますが、デモカーのエンブレムをご覧になったのが切っ掛けで、今回のカスタムをご用命いただきました。
このように、エンブレム類はとても小さいパーツですが、カスタムの効果は面積対比で最も大きい部分だと思います。皆さまもお気に入りの差し色で愛車のエンブレムを彩ってみては如何でしょうか。
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