今日はBMW F80 M3用グリル一式のハイパーシルバー系塗装のご紹介です。

今回のカスタム作業をご依頼くださったお客様は、以前乗られていたゴルフでも大変お世話になっていた方で、現在お乗りのM3でも引き続きお世話になっているお客様でいらっしゃいます。この度、M3の外装パーツをまとめて加工させていただくことになりましたので、その内容を纏めてみました。

さて、本題の加工内容ですが、先ずはBMW車両の象徴であるキドニーグリルからご紹介しましょう。

キドニーグリルはBMWの純正アクセサリーとして販売されているブラックのグリルへ交換するのが定番のカスタムメニューになっているようですが、オーナー様は他の車とは違う、スポーティーな方向に振りすぎず、上品さを増す方向性をご希望で、ハイパーシルバー系の色を選んでいただきました。

詳しい配色は、クロームメッキ製の外枠を当店でエンブレムの加工などに採用しているアルミニウム調、縦フィン形状のグリル本体はハイパーシルバーをチョイスしていただきました。しかもフィンの天面は明るめのハイパーシルバー、側面は暗めのハイパーブラックで塗り分けるという内容です。

更にグリルに付いているM3エンブレムには、ドイツ国旗をモチーフにした3色ストライプの塗り分けを追加します。

もう、拘りの塊と言っても過言ではありません!

BMW M3キドニーグリルのハイパーシルバー・ブラック、アルミニウム調塗装

ハイパーシルバーまたはハイパーブラック塗装は、鏡面の黒の塗膜の上にアルミニウム微粒子を薄く、均等にスプレーすることで、ベースの黒をアルミ粒子の影に見立て、金属特有の質感を再現する途装技法です。

光の当たり具合によって陰影が大きく変わり、塗装面の形状が複雑であればあるほど、立体感が際立つ特徴がありますので、ホイールの塗装等で良く使われています。

それでは、キドニーグリルのベース部分からスタートします。

最初に、塗装の下処理を終えたグリルを艶々のピアノブラックに仕上げます。

殆どのグリル類は形状が複雑な面になっていますが、今回のグリルは特に21組の縦フィンの間の側面に塗料が入りづらく、艶も出しにくい形です。艶を出そうと欲をかくと塗料が垂れてしまいますし、磨いて修正するのも難しいので、ゆっくり時間を掛け、何度かに分けて塗装することで鏡面の黒塗膜を作りました。

黒の塗膜を一旦乾燥させてから、アルミニウム微粒子を塗っていきます。
この塗料は普通のシルバーのメタリック塗料とは違い、粒子が極端に細かいので、下地の表面の質感がそのまま仕上がりに反映される上に静電気にも強く影響を受け、塗りムラが目立ち易い塗料です。
塗りムラを目立たなくするためには、塗装回数を増やす必要がありますが、濃く塗りすぎると影となる下地の黒が隠蔽されて普通のシルバーになってしまうという、とにかく扱いが難しい塗料です。

更に、今回はグリルの天面と側面の濃淡をしっかり分けないといけないので、スプレーパターンの幅とスプレー角度、エアー圧や塗布量などを分けて微調整しながら、マスキングで塗り分けしたような仕上がりを目指して慎重に塗り重ねていきます。

写真のように上手く塗り分けることができました。側面が真っ黒のように写っていますが、ちゃんと粒子がのっている暗めのハイパーブラックで、天面との対比がハッキリしています。

単色塗りでも明暗が強調されるハイパー塗装ですが、濃淡を塗り分けることで天面の金属質感がさらに際立つようになりました。

その後、微粒子を完全に乾燥させてから、2液型のウレタンクリヤーで表面を保護+艶々の鏡面肌に仕上げます。

キドニーグリルの外枠はクロームメッキの質感と金属特有の粒子感を掛け合わせたアルミニウム調に加工します。
仕上げ工程では2種類のクリヤーを重ね、渋い光沢を表現していきますが、この段階で艶の加減を間違えると、プラスチックっぽく仕上がったり、普通のシルバー塗装のように仕上がるので、微妙な艶加減を合わせるのがとても難しいです。

外枠単体の写真を撮り忘れましたので、同時に加工したフロントフェンダーのガーニッシュの画像を載せています。

M3ロゴ入りのプレートは取り外し、塗装後に貼り直しました。
このプレートは両面テープで貼られていますが、薄いアルミ製の板ですので、剥がすときにプレートを浮かばせすぎると折り曲がった跡が残ってしまいます。
プレートが曲がらないようにゆっくり少しずつ剥がすのがポイントですね。

M3エンブレムのアルミニウム調+ドイツ三色旗塗り分け

続いて一番の難関、M3エンブレムの4色加工です。

外枠、フェンダーガーニッシュと同時に三色旗のところ以外はアルミニウム調で加工しましたので、フラッグ部分を順番に塗り分けていきます。

クリヤー塗装の途中の写真ですが、この旗の部分が微妙に凹んだ形状で、以外と塗り分けが難しく、何度か失敗と塗り直しを繰り返しました。
とても小さいエンブレムですが、塗装工程が8コートという、恐ろしいほど時間と手間が掛かった作品です。

いよいよキドニーグリルが完成! グリルの完成画像です。

明暗と質感を変えた3種類の金属調塗装+三色塗り分けという拘り仕様のグリルになりました。

2本線の縦フィン部分が良いアクセントになっていると思います。
ワンポイントの三色エンブレムも他とは違うM3という雰囲気を醸し出していますね。

アンダーグリル等のハイパーシルバー塗装

次はバンパー下側のハニカムグリル3点にホイールハウスへ繋がるグリル、フロントフェンダーとリアバンパーの小さいグリルを合わせた、系9点のハイパーシルバー塗装です。

キドニーグリルのベース部分と同じ工程で、洗浄、サンドブラスター+ペーパーがけ、脱脂、プライマー塗装を終えたグリルを艶々の黒に仕上げました。

後はアルミニウム微粒子の塗装です。ハニカムグリルの形状上、塗装面が色んな角度を向いていますので、前後左右、裏表と、様々な角度から、全体の濃さが均等になるように微粒子を重ねていきます。

同じくクリヤー仕上げでグリル一式が完成しました。

ちなみに、今回のご依頼では最高の材料を使ってくださいとのご要望をいただきましたので、Cromax(旧Dupont社)の最高級クリヤーである3800Sを使用しました。

この塗料はハイソリッドタイプの2液型クリヤーで、アールの大きい美しい肌と硬い塗膜が特徴です。シンナー希釈無しで使う塗料なので、慣れるまでは取り扱いが難しく、値段がとても高いのが欠点ですが、磨きで塗装肌を修正できないグリルを一発で仕上げるには良い材料です。

 

これで全てのパーツが揃いましたので、装着画像をご紹介。

プラスチック製パーツは金属質感へ、ギラギラしていたメッキパーツは燻し銀のような渋い光沢へカスタムしたおかげで、さらに一段と車格が上がったように見えますね。
写真では伝わらないのが残念ですが、肉眼で見た実車のインパクトは相当な物でした。

グリル類は黒く塗装するケースが多いので、他では中々見られない、個性溢れるM3に仕上がったと思います!

 

今回のご依頼をお受けした時、オーナー様から「納期はいくら長くなっても大丈夫、納得行くところまでじっくり仕上げてください。」という旨のご要望をいただきました。

私達の技術を強く信用してくださっているという、とても有り難くて嬉しいお言葉でしたので、クォリティーに対するプレッシャーを感じつつも、焦らずゆっくりと最善を尽くすことができたと思っています。

その結果、私達もオーナー様も大変満足できるお仕事ができました。無事納品が終わってオーナー様が喜ばれる姿を見た時、私たちもどれほど嬉しかったのかは言うまでもありません。

途中は色々失敗もあり、長い時間と手間が掛かりましたが、このお仕事をしている甲斐を感じられた、とても記憶に残るカスタム事例の一つとなりました。

ご依頼くださったS様、この度はどうもありがとうございました!

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