BBSホイールセンターキャップの色変更

こんばんは、Sprungのハクです。
数年前の施工事例になりますが、今回はBBSホイールのセンターキャップの色変更の事例をご紹介いたします。
BBSホイールセンターキャップの種類は様々
BBSホイールのセンターキャップは、ホイールの作り方やデザインによって複数の仕様が設定されています。
日本製の鍛造ホイールの多くは、赤い背景にゴールドのBBSロゴが刻印されていますね。
他にも背景が黒かったり、カーボン調だったり、サイズも2種類で色々なキャップがありますが、その中でも一際特別なセンターキャップがありまして、背景が青いセンターキャップです。
幻だった青いBBSセンターキャップ
去年あたりからは、青いセンターキャップを普通に購入できるように変わりましたが、昔は非常に高価なマグネシウム鍛造ホイール専用の付属品となっていて、キャップだけを買うことはできず、なかなか手に入れられないレアなパーツでした。
この事例では、その青いセンターキャップをモチーフとして、オリジナルのブルーへ背景色を変更して欲しいというご依頼をいただきました。
アクリルプレートの裏側を塗装した事例
BBSのセンターキャップは、透明アクリルプレートの裏側にBBSロゴを刻印してから蒸着メッキを掛けて、背景の部分をマシニングで削り落として背景色を塗装する手順で作られています。
裏側の背景色の塗膜を削り落とせば、他の色へ塗り替えができる構造ですね。
他の自動車メーカーやパーツメーカからも同じような作り方でエンブレム類を出しているので、何回かこういうエンブレムの背景色を変更させていただいた事例がありました。Sprungの定番商品「カラードプレート」もこういう作り方の応用とも言えます。
BBSセンターキャップの色変更
さて、本題のBBSセンターキャップの加工過程ですが、最初にお客様が送ってくださった加工用のキャップは、黒い背景にシルバーロゴが入っている物でした。
しかし、キャップの台座部分とアクリルプレートを分解してみたところ、上記の作り方では無く、上の画像のように黒い樹脂と透明樹脂を一つの型で整形した形になっていて、黒い樹脂だけを削り落とすことができない構造であることが判明しました。
おそらく、ドイツのBBSと日本のBBSの違いだと思いますが、まさか黒いキャップは全く違う作り方になっているとは… 改めて事前調査は大事と痛感しました。
急いで背景色を変更できるキャップについて調べてみましたが、以外と情報が少ないものの、背景が赤いキャップで色変更ができたという情報を得られました。
お客様に黒いキャップでは施工ができないとの旨をお伝えしてご了承をいただいた後、新たに赤いセンターキャップを手配していただく事になりました。
しかし、またもやまさかの結果が…
なんと、背景の赤を研ぎ落としてみたら、アクリル樹脂が透明では無く、黄色く着色されていました。
この状態では裏側に青を塗っても、表側の樹脂の黄色が重なり、黄ばんだ色合いの青になってしまいます。
黄色の補色を表側に塗ることで、黄色味を相殺できないかと何度も塗り直してみましたが、黄色は相殺できてもグレーっぽく黒ずんだ仕上がりになってしまいます。しかもゴールドのBBSロゴの黄色まで相殺されてしまう始末。
後から知りましたが、赤いセンターキャップも2種類があり、BBSロゴが濃いゴールドの物はアクリルプレートが黄色で、ロゴが少し薄いゴールドの物は樹脂が透明になっているようです。ただし、本当に透明なのか現物では確認できておりません。
せっかく新しいセンターキャップを手配していただいたのに、とんでもないミスを犯してしまいました。
お客様に事情の説明と謝罪をし、有り難くも納期の猶予をいただけたので、今度は自腹で新しいキャップを取り寄せることにしました。
BBSセンターキャップの色変更はシルバーキャップをベースに
またセンターキャップに関する情報を色々調べている内に、シルバー背景のキャップを発見。
シルバー背景でもまた同じく樹脂が着色されている可能性はありますが、このシルバーの発色なら樹脂が透明に近いはずと踏んで、一か八かの気持ちで 1台分を発注しました。
早速、届いたシルバーキャップを分解して、恐る恐る背景を研ぎ落してみたところ…
予想が的中し、透明なアクリルプレートでした!
何で赤より先にシルバーを見つけられなかったんだろうと反省しても、もう遅いですね…
そして、調色した青を塗って、やっとオリジナルブルーのセンターキャップが完成しました。
私の知識不足で納期が大分遅れ、お客様には大変ご迷惑をお掛けしてしまいました。改めてお詫び申し上げます。
幸いにも納品させていただいたキャップの色合いと仕上がりにご満足いただけたので、嬉しい限りでした。ご理解とご猶予をいただき、本当にありがとうございました。
高い授業料を払った形になりましたが、何事も徹底した事前確認が大事という教訓と、BBSセンターキャップに関する情報を色々得られましたので、自分にとってはタメになる施工事例として記憶に残っています。
その後も何度か同じようなご依頼をいただきましたが、失敗から学んだ通り、必ずシルバーのセンターキャップを手配するようにしています。
こちらの事例では、ゴルフ7Rのボディ色のラピスブルーで背景色を塗装させていただきました。加工ベースとなったキャップの色は青で、青いキャップも透明な樹脂が使われています。(前述の通り、最近は青いキャップを普通に購入できます。)
DIYで背景色の変更を検討されている方もいらっしゃると思いますので、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
ではでは〜
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