過去にみんカラ+でSprungブログを掲載していた時期、PVが多い記事の中には塗装工程を詳しく説明した記事の割合が高かったです。

依頼されたパーツがどういう過程を経て仕上がっていくのかが気になるというお客様と、DIYで塗装のためにプロの作業を参考にしたいと思う方も多いと思いますので、こちらのブログでも不定期に塗装工程をご紹介する記事を書いていきたいと思います。

特にDIY塗装を検討されている方々に、この内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

今回ご紹介する内容はゴルフ6のロアグリルの塗装事例で、下地処理からサフェーサー塗装までの、ベースコート(色の本塗装)を塗装するための準備過程になります。

完成イメージはこういう感じで、純正のシボ付きの未塗装状態と比べると、その差は歴然です。

ペーパー掛け(足付け)と洗浄

最初に塗装するパーツの表面を平らにペーパー掛けをします。未塗装の純正グリルの表面はシボ付きの仕上げになっていますので、凸凹を平らに削り落とす必要があります。

凹凸を完全に削らずにペーパーを掛けるくらいでも大きい問題にはなりませんが、より奇麗な塗装面を作るために、それから凹みの隅々までしっかりペーパーがけし密着力を高めるために凹凸を平らにスムージングしました。

最初は粗めのペーパーから始め、ペーパーの番手を上げながら地道に凹凸を削り落していきます。

こういったペーパー掛けの作業を一般的に足付けと言いますが、接着力は物体同士の接触面の表面積に比例するので、細かい傷をつけることで物体の表面積が増え、塗料の密着力を高められます。

足付けはとても大事な工程でして、素地のパーツはもちろん、硬化が進んだ塗膜の上に上塗りをするときも旧塗膜に足付けをする必要があります。

続いて、下地塗装に入る前にパーツを綺麗に洗浄します。

中性洗剤を水で希釈し、ブラシなどを使って隅々までゴシゴシ洗った後、たっぷり水をかけて洗剤を完全に洗い流します。

洗浄が終ったパーツはエアブローをして水分を飛ばしてから、乾燥炉などで加熱して水分を完全に蒸発させます。塗装の大敵、水と油は徹底的に取り除きましょう。

DIYでは自然乾燥でも構いませんので、時間の余裕を持ってじっくり乾かしてください。

完全に乾いたパーツはシリコンオフで表面を脱脂した後、タッククロス(松ヤニ等がついているクロス)で塵や埃を拾いながら、しっかりエアブローをします。パーツ表面に付着した異物を綺麗に取り除くと塗装前の準備は完了します。

プライマーとサフェーサーの塗装

パーツの素材と使用するサフェーサーに適したプライマーを塗布した後、サフェーサー塗装に移ります。

プライマーは素材と塗料との密着力を高めるための接着剤のような物で、素材と塗料に合わせて使い分けることになりますが、DIYではホームセンター等で缶スプレータイプを購入できる「ミッチャクロン」か汎用性が高く、使いやすいと思います。(PP製のパーツはPPプライマーがお勧めです。)

また、市販の缶スプレータイプのサフェーサーにはボディ用(鋼板用)とバンパー用(プラスチック用)の区別がありますので、樹脂製のパーツを塗装する場合は必ずバンパー用のサフェーサーを使用してください。こちらは塗膜に柔軟性を持たせるための軟化剤が添加されている物で、柔軟性の無いボディ用サフェーサーをプラスチック製品に使うと塗膜が簡単に割れたり剥がれてしまいます。

もう一つ、市販のサフェーサーの中には「プラサフ」という名前がついたサフェーサーが多いですが、こちらはプライマー+サフェーサーの意味でプライマーの機能を併せ持ったサフェーサーです。プラスチック用サフェーサーだと勘違いしやすい名称ですので、ご注意ください。

プライマーは厚塗りする必要は無く、ツヤが出るか出ないかくらいの感じで、軽く1コート〜2コートして均等に薄く塗ります。

プライマーは乾いてもベトベトした接着剤のような状態のままで、厚塗りしてしまうと塗膜に悪影響を及ぼしますので、厚塗りにご注意ください。

 

サフェーサーの塗装も上塗りと同じで、数回に渡って薄く塗り重ねていくのが大事です。

しかし、乾燥が早いサフェーサーの特性上、あまり間隔を空けすぎると、上塗りした塗料が馴染みづらくなるので、表面が半乾き程度になったタイミングで薄く塗り重ねます。

 一度に厚塗りしてしまうと、液垂れや塗りムラなどの不具合が生じやすいので、薄く塗って乾かすことの繰り返しです。

また、素材や下地の状態、上塗りする塗料の種類によってはサフェーサー工程を省くことができます。

が、DIYでよく使われる上塗り塗料は1液タイプの塗料で、膜厚が薄くなりがちですので、膜厚を確保しやすいサフェーサー塗装を追加するのをお勧めします。

サフェーサーを塗り終わった後の写真ですが、グレーのサフェーサーの表面に黒いブツブツが見えますよね。

実は、サフェーサーを塗った後に、パラパラっと黒い塗料を塗ってあります。その理由は次の工程で説明します。

サフェーサー塗装が完了したパーツは、乾燥炉でしっかり焼いて、塗膜を完全に硬化させます。(樹脂パーツは一般的に60℃、熱に弱いウレタン製などは低温で焼きます。)

注意点として、塗りたての塗膜を直ぐに加熱すると、塗膜の中に気泡が発生し塗装不良を起こしますので、強制乾燥を始める前に必ず一定の自然乾燥時間をおきます。

DIYでは自然乾燥が殆どだと思いますので、その心配は少ないですが、夏場の暑い時期に塗りたての塗膜を直射日光に晒すなど、急激に塗膜に熱を掛けることは控えましょう。塗料の使用説明に強制乾燥までの時間が書かれていると思いますので、そちらをご確認ください。

サフェーサー乾燥後の水研ぎ

塗装直後は塗装面がツルッとした綺麗な面に見えますが、乾燥後の塗膜は溶剤が抜けて硬化する過程で凹凸したゆず肌のような表面に仕上がります。

その凹凸は上塗りにも反映されるので、耐水ペーパーで水研ぎし、フラットな面を作っておく必要があります。

DIYでは主に自然乾燥でサフェーサーを硬化させるため、サフェーサー塗装から上塗りまでの間隔も長く空いてしまうと思いますが、各塗装工程の間にはそのまま上塗りできる時間に限りがあり、上塗りできるタイミングを過ぎた塗膜にそのまま上塗りすると、塗膜同士の密着力が弱く上塗り塗膜が剥がれやすくなります。賞味期限(?)を過ぎた下地の塗膜は上塗りの前に足付けをする必要があります。

平たいブロックにペーパーを付けて塗装面を研いでみました。

サフェーサーの上に予め塗っておいた黒い塗料のお陰で、塗装膜の凸凹がハッキリ目立つようになっていますが、このようにサフェーサーの上に別の色の塗料をパラパラと吹いておくことを一般的にガイドコートと言います。

 サフェーサーだけの状態では、ちゃんと面が出ている部分と凹凸が残っている部分の見分けが難しく、研ぎ残した部分ができたり、研ぎすぎて面が歪になったりしますが、ガイドコートを目安に全体を奇麗に、そして均等に研ぐことができます。

水研ぎの工程も#600#1200までペーパーの番手を上げながら、地道に研いでいきます。(上塗りする塗料の種類によって最終の番手が変わります。)

ペーパー研ぎをする時は、平らな当て木などにペーパーを付けて、直線ではなくグルグルと無数の円を描きながら少しずつ横にずらしていくイメージで研ぎます。直線の動きを繰り返すと筋のような凹みができやすいので、なるべく常に円を描くようにしてください。

このように全体がツルツルになるまで中研ぎをすれば、下地作りは完了となります。

水研ぎの過程で出来た塗料の粉と水滴も、忘れずに綺麗に拭き取っておきましょう。

最も大事な工程は下地作りです。

塗装工程の中で一番時間と手間が掛かるのが下地作りの工程で、塗装面の仕上がりを大きく左右するのもこの下地作りの工程です。

とても地道な作業の連続ですが、この工程をきちんとこなしておけば、間違いなく仕上がりが綺麗になりますので、ゆっくり根気よく作業を進めてください。

 

次の工程はベースコートの上塗りとクリヤ塗装になりますが、それはまた別の機会にご紹介いたします。

長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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