リアVWエンブレム用カラードプレートの取り付け方法

当記事では、ゴルフ5・6・7、6R・6Cポロ、ザ・ビートル等に採用されているリアハッチオープナー兼用VWエンブレム専用の「カラードプレート」の取り付け方法についてご説明いたします。
0. 取り付け作業の前に
取り付け作業の前に注意していただきたいことを纏めてみました。
- 低温時を避けること
- 可能であれば電源を確保できる場所で、エンブレムを温めながら作業
- カラードプレートの取り扱いに注意
- 焦らずゆっくり、VWエンブレムの破損に注意
- VWエンブレムの構造
- VWエンブレムの周りの養生
VWエンブレムはABS樹脂をクロームメッキ処理したもの、いわゆるプラスチック製です。
プラスチックは温度による変化が大きく、加熱すると柔軟性が増しますが、温度が低い時は硬くなり、力を加えると簡単に割れてしまいます。
エンブレムの柔軟性の他にも、気温が低い時は作業する人の手も冷えて思う通りに動かすことが難しくなり、作業中のミスに繋がります。
そのため、冬季の屋外など、寒い環境での作業は控えるようにしましょう。
気温と照明の関係上、真夏の昼間に屋外で作業するのがベストですが、照明器具やヘアドライヤー等を使用することで、環境の問題を解決できたりします。
特にゴルフ7のリアエンブレムはエンブレムが分厚く、エンブレム本体を捩じらせるためには温める必要がありますので、ドライヤーやヒートガンの電源を確保できる場所での作業をお勧めします。
カラードプレートの素材は厚み0.2ミリのアクリル樹脂又はドライカーボンの板です。
取り付けが終わった後は特に耐久性を気にすることはなくなりますが、取り付けの前は0.2mmという薄さ故に折り曲げに非常に弱く、簡単に割れてしまいます。
また、製品の切断面はとても鋭利で、手を切るなど怪我の恐れがありますので、取り扱いには十分ご注意ください。
特にドライカーボン製のカラードプレートは、断面付近にカーボンファイバーの先端が露出しており、素手で触るとファイバーのカスが刺さる恐れがありますので、必ず商品に付属しているのゴム手袋をはめて取り扱ってください。
上述の通り、VWエンブレムはクロームメッキされたABS樹脂製ですが、金属製の工具を用いて作業しますと、工具が当たったところが簡単に抉られてしまいます。
工具を差し込んだり、こじ空けたりする時は、エンブレムと接触する面を養生するなどの対策を取ってください。
また、エンブレムをベースから浮かばせる時、無理に大きい力をかけますと、表面のクロームメッキがひび割れしたり、時にはエンブレム自体が割れてしまうこともありますので、本作業はエンブレムの破損に注意しながら、慎重に行ってください。
私の経験上、このリアVWエンブレムは個体差がとても大きく、あっけなく簡単に外れる車もあれば、あらゆる方法を試しても全く手応えがない、なかなか外れない車もたまにあります。
とても外れそうにないと思った時は、焦って強引に外そうとするより、日を改めて気温などの作業環境を変えてみたり、ご近所で作業実績を持っているショップさんを探してみることをお勧めいたします。
取り外し作業の前にエンブレムの構造を確認することが役に立つと思いますので、構造を描いたイラストを添付します。
ゴルフ7のリアVWエンブレムを裏側から見た時のイラストですが、エンブレム側は外周の①〜⑧の位置に溝があり、取り付けるベース側は同じ位置に突起が付いていて、エンブレムの溝にベースの突起部分が嵌ってエンブレムが固定される構造になっています。
エンブレムの内側の★印の位置にも小さい爪がありますが、エンブレム固定の補助とエンブレム中央の浮きを防ぐ役割をしています。取り外しの時にこの爪が折れてしまうことが多いので、注意が必要です。
作業中に車のボディに傷をつけないよう、エンブレムの周りをしっかり養生します。
写真では必要最低限の範囲を養生してありますが、工具を使う作業では不意のトラブルでボディに引っかき傷を残してしまう可能性がありますので、もっと広い範囲を養生することをお勧めします。
1. VWエンブレム下段の取り外し
それでは、取り外し作業を開始いたします。
リアハッチゲートを開ける時と同じく、リアVWエンブレムの上半分を押してみるとエンブレムの下側の6時方向の位置に小さい溝があることを確認できます。(エンブレムの隙間に入った雨水が抜けやすくするための溝と思われます。)
※ 車種と年式によっては、この溝がない場合がありますが、作業内容は同一で特に問題はありません。
この溝に細いマイナスドライバーや内装剥がしなどの工具を差込み、テコの原理を利用してエンブレムを少し浮かばせます。
続いてエンブレムを浮かばせて出来た隙間にプラスチック製の内装剥がし等を差し込んで、エンブレムが戻らないよう隙間を維持しながら、最初の隙間の左右に別の内装剥がし又はヘラを差し込んで左右方向に隙間を広げていきます。
エンブレム外周を固定している溝①と②の付近を持ち上げると、溝に引っかかっていたベースの突起が外れる音がします。
①と②の位置はわりと簡単に外れますが、③と④は固く嵌っていますので、テコの原理を活用して少し強く持ち上げてください。
2. VWエンブレム中央の取り外し
①〜④の位置まで外した後は、エンブレムの内側の爪(最初のイラストの★印)を外していきます。
矢印の位置にできた隙間に薄いヘラ状の内装剥がしを差込み、エンブレムを浮かばせて爪を外します。
金属製のヘラを使用する場合は、工具に養生テープ等を巻き、エンブレムに傷をつけないようにしてください。
3. VWエンブレム上段の取り外し
VWエンブレムの上半分は、ボディパネルが邪魔で下段のようにヘラ等を差し込むことが難しいので、エンブレムを捩じらせる形で引っ掛けを外します。
電源が確保された場所での作業であれば、ドライヤーやヒートガンなどでイラストの⑤、⑥辺りを中心にエンブレムを加熱し、樹脂を柔らかくします。
エンブレムを十分に温めた後、イラスト5.の矢印の位置からエンブレムを斜め反対方向にずらすイメージで力を加えると、⑤、⑥の位置の爪が外れます。
続いて先と同じ要領でエンブレムの内側を固定している★印の爪2箇所を外した後、エンブレムを上の方向にずらすとエンブレムが車体から外れます。
ゴルフ7、ザ・ビートル、6Cポロ等、エンブレムの後ろに艶あり黒の台座が付いている車両では、エンブレムを外した時に黒い台座が落下してしまう場合がありますので、台座を指で抑えておくなど、台座の落下に備えてください。
4. カラードプレートのセッティング
取り外したVWエンブレムの裏面にカラードプレートをセットします。
エンブレムをベース側に完全に取り付けるまで、カラードプレートはしっかり固定されないため、エンブレムをはめ込む時にずれてしまうことが多いです。マスキングテープなど、粘着力の弱いテープを12時方向と6時方向辺りに貼って軽く仮止めしておくと、カラードプレートがずれる事なく作業が楽になります。
また、純正の黒い台座が付いている車両は、カラードプレートの上に純正の台座を被せて仮止めします。
5. リアVWエンブレムの取り付け
最後にカラードプレートをセットしたVWエンブレムを車体に取り付けます。
エンブレムのベース部分にエンブレムを合わせて位置合わせを行います。エンブレム内側の爪がずれていると正常に取り付けできなくなりますので、エンブレムを少しずらしてみて爪の位置が合っているかを確かめてください。
位置決めが終わったら、上の方から下の方の順番でエンブレムをはめ込んでいきます。
エンブレムの外周と内側に隙間がなく、エンブレムがしっかり固定されていることを確認できれば、取り付け作業は終了となります。
どこかに隙間ができている場合は、爪の位置がずれていることですので、一旦エンブレムを取り外し、もう一度はめ込み直してください。
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